2008-03-24
ハリアーには、ルーフとバックドアにアンテナがあります。アンテナの接続先は、TVチューナ以外にも、AMチューナ、FMチューナがある。それぞれどのように機能しているのか、「ハリアー 電子技術マニュアル」で調べてみました。
TVD1/TVD2 が何をしているのか不明ですが、TVチューナがアンテナを切り替えているのかも知れません。アンテナ直下にアンプが入っている可能性もあります。
AM/FM チューナには、これとは別にアンテナが配線されているので、TVアンテナを取り外しても影響しません。今回は、TV用アンテナの出力にブースタを入れて2分配しようとしていますが、アンテナのインピーダンスを合わせておかないと性能が出ないと思う。そこで、実際にアンテナの配線からインピーダンスを確認する事にしました。
TVチューナは、右後輪のタイヤハウスの上にあります(ACU3# 2006.1以降)。ここを開けるには、かなりバラバラにしなければならない。
VTRケーブルを接続する時は、下から鏡を差し込んで確認したが、今回は内張りを剥がしました。
左から2番目はVTRケーブルです。左端がTVアンテナのコネクタ(D) です。5pin が同軸ケーブルで、1.5C2V が使われていました。つまり、TVアンテナは 75Ωで設計されていると言う事です。
さらに予想外だったのが、1.5C2V と細い同軸を使っていた事です。F型ソケットでブースタに接続する予定でしたが 1.5C2VのF型コネクタは売っていません(壁コンセント用コネクタなら使えなくもありませんが)。
結局、BNCコネクタを使う事になってしまいました。急遽、1.5C2V対応のBNCコネクタを買いに デジット(日本橋) に行くと、なんと\120のBNCコネクタを見つけました。理由は、同軸の網線側を圧着するスリーブが付属していない為、特価になっています(ラッキー!)。サイズの合いそうな圧着端子 \5/個 を別の店で見つけました。今回は利用しませんでしたが、BNCコネクタはオンラインなら秋月電子やRSコンポーネンツで入手可能です
ハリアーのTVアンテナ同軸を適当な所で切断して、BNCコネクタを取り付けます。芯線は半田付けが必要なので、慣れないと難しいかも知れません。
BNCメス:BNCメス のアダプタで直結すると、アナログチューナがちゃんと映る事が確認できました。
別に用意した同軸ケーブル 1.5D2V(\105/m) にBNCを接続して、もう一方には SMA コネクタを接続します。SMAコネクタは、普通、\500~\700ぐらいするようですが、これは 秋月電子通商(秋葉原) で\180/個 で購入したものです(なぜ安いのか不明)。作り方は、BNCと同じですね。
これで実験する準備ができました。まず、ワンセグチューナのアンテナにこのケーブルを接続して、BNCメス:BNCメス アダプタでハリアーのアンテナに直結します。同軸以外のケーブルは、アナログチューナに接続しておきます(アンテナに電源供給がいるため)。アナログチューナのアンテナはOpenですので全く映りません。
ここでは、75Ωのアンテナに50Ωのケーブルで50Ωのチューナに接続しています。インピーダンスが一致していませんので、ここで反射が発生し減衰しているハズ (インピーダンスを変換してあわせると、どのくらい差があるのか検証したいと思います)。
そこそこ映りますが、ワンセグチューナ付属のアンテナと同等かそれ以下の感度でした。
それでは、TVアンテナのブースタ自作作業に戻ります。TVアンテナ用ブースタのコネクタも BNC \120/個 に変更しました。
例によって、両面基板の銅箔部分を Pカッターで傷をつけてパターンを作ります。両面基板で、裏面に電源(13.8V → 9V)を半田付けしました。
バイアス抵抗は 1/4金属皮膜抵抗(誤差1%)です。RF部分は小さく作る必要があるので、3216型Chipコンデンサを使っています。このサイズより小さいのは虫眼鏡があっても半田付けは無理ですね。
13.8V の電源を接続すると、 ML7809 レギュレータ出力は、9.04V 54mA 流れていました。MAR-8A データシートの値とほぼ一致しています。
75Ω-50Ωのインピーダンスマッチング と 2分配器 はまだ作っていません。ミスマッチのままブースタに接続しています。
結果は、直結とあまり差がありませんでした。ブースタの電源をOFFにすると受信できなくなったので、超広帯域アンプは一応機能しているようです。
この状態でインピーダンスマッチングを取れば、どのくらい感度があがるのか不安になって来ました。次回は、マッチング回路と2分配器の実験をする予定です。
続く。