2008-03-01
給料以外の収入がある人は確定申告をして所得税を納めなければならない事になっています。この申請を確定申告と言って、2008年は 2/18から3/17までに済ませる必要がある。オンラインで確定申告する eTax は前からあったが、利用者にとってあまりメリットがありませんでした。
しかし、2008年又は2009年にeTaxで申告すると \5,000 減税(1回限り)されるというので、どんなシステムか興味があったので挑戦してみました。
eTax による確定申告を申請するには、インターネットに接続可能なPCと
(1)住民基本台帳カード
(2)電子証明書(上記のICカードに書き込み)
(3)ICカードリーダー
が必要になります。ICカードリーダーとして購入したのは、NTT-ME SCR3310-NTTCom \2,668(おや!値下げになってる)。
この時期、Amazon のエレクトロニクスランキング には、カードリーダーが上位にランキングされていますね。では、住民基本台帳カード を作るところから手続きを紹介します。
1.住民基本台帳カードと電子証明書
住民基本台帳カード(略称:住基カード)は、住民票に記載された氏名、住民票コード等が記録されたICカードです。何年か前に、住民基本台帳ネットワークが導入されることになって、個人情報の管理体制が問題になり、このカードの是非が話題になりましたね。すっかり忘れていましたが、eTax を利用するにはこれが必要になる。
調べてみると、やっぱり普及していないみたい。カードの種類や発行手続きは、市によって違うそうですが、参考にしてください。
まず、市役所に行ってみると、一般の所には申請書類が置いていない。窓口に聞いてみると、まず、何に使うのか確認がありました。eTax に使う場合は、電子証明書を入れる必要があるかららしいのですが・・・・。
まず、
a)本人かどうかの確認
b)本人を証明するもの(免許証、パスポート等)を持っているかどうかの確認
があり、窓口(お姉さんの前で)で申請書類に住所等を書いてくれと言われた。
書類を渡すと、その場で端末に入力して住民登録を確認をしたようです。免許証はコピーを取られました。申請では、印鑑は必要ありませんでした。
住基カードは、写真入りと写真無しを選択可能で、写真入りにすると免許証等と同等の証明書として使えるそうですので、免許証を持っていない方は写真入りにすると何かと便利かも知れません。
その場で発行してもらえると思っていたが、確認書類を転送不能郵便として送るので、それを持ってもう一度窓口に来てくれと言うではないか。住基カードを受け取るために会社を休むわけに行かないと言うと、受け取りは、委任状を書けば代理人が受け取る事も可能という。ただし、暗証番号を代理人に見えないように封筒に入れて封印をおして持参するように説明をされた。暗証番号は本人以外は知らない事になっていますと。
2/15(金) に申請をすると、翌日2/16(土)に郵便が届いた(なんと早いんだ!自動化されているという事なんでしょうね)。
中には「住民基本台帳カード交付通知書兼確認書」「電子証明に係る申請照会書兼解答書」が同封されていました。裏面には委任状記入欄がありますので必要事項を記入、捺印する。また、暗証番号を書いたメモを封筒に入れて封印をしたものを、代理人に渡しました。暗証番号は、住基カードで使う4桁の数字 と 電子証明書で使う (確か)16桁までの英数字(大文字・小文字は指定できない) を記入しました。
代理人が申請書類(委任状)を持って市役所に行くと、住基カード発行手数料が \500 で有効期間が10年。電子証明書の書き込みが、\500 で有効期間が 3年となっている。暗証番号を書き込む必要があるので、発行まで1時間ほどかかりました。
住基カードは、即日発行している市役所もあるようですので、改善してもらいたいですね。
吹田市役所職員の説明は「役所の仕事」とは思えないほど非常に親切丁寧なので驚きました。教育が行き届いているのでしょうね。カードリーダーを購入する必要があるが、対応のカードリーダーは、Webのここに書いてますとか。SONYのパソリは種類が違うので使えなかったと思いますとか。なんで証明書が必要なのかなど説明してくれます。でも、これだけ説明をしても年配の方には理解不能なんでしょうね・・・・。まだ、利用者が少ないから、これだけの対応も可能なのかも知れません。
受け取った住基カードがこれ。裏面にサインするようです。
同時にクライアントソフト(CD-ROM)とインストールマニュアルを手渡しされました。これは、ダウンロードしてもいいのだけどね。
2.カードリーダとクライアントソフト
カードリーダーは、NTT-ME SCR3310-NTTCom をAmazonで購入しました。\3,079 で購入しましたが、今はさらに値下げになっていますね。
NTT-ME を選択したのは、Vista や MacOSX にも対応しているらしい(今は関係ないけど将来も使えそう)。パッケージに eTax対応と書いてあるので、安心かな。
まず、カードリーダーをUSBに接続する前にICカードに付属のCD-ROMから ドライバをインストールします (これは、USB機器を接続する時のお約束みたいなものですので、覚えておきましょう)。
カードリーダーを接続すると、Plug&Play が走りドライバが組み込まれます。本体は、このように凄く小さい。
市役所からもらったCD-ROMでクライアントソフトをインストールすると「公的個人認証サービス」というプログラムがインストールされます。
まず、スタートメニューから「ICカードリーダライタ設定」を起動して、クライアントソフトが使用するカードリーダーを指定します。
スタートメニューから「Java実行環境への登録」を実行します。証明書の確認画面が表示されるがすべて[OK]でインストールをします。
次に、スタートメニューから「JPK利用者ソフト」を起動します。
動作確認を押すと自己診断をしてくれるようです。
これで準備完了ですが、自分の証明書を確認しておきたいと思います。
パスワードの確認があります。市役所で設定したパスワードをここで入力する必要があります。ちゃんと登録されていました。
発行者は、大阪府。証明書は SHA-1 RSA暗号が使われているようですね。認証局は大阪府になっていました。
3.eTaxの入力
これで入力する準備が整ったので、eTax の説明に従って順に確定申告の入力をしてゆきます。
もちろん、弥生などの青色申告用ソフトを使ってあらかじめ計算してあります。計算結果を入力して同じ結果になる事を確認するという感じですね。
再入力するのが面倒なので、自動でやってくれるソフトがあっても良いと思うのですが。
ヨドバシカメラには、最新のeTax対応青色申告ソフトが売っていました。所得申告データ や 決算書等データ を作ってくれるのなら価値があるのですが、パッケージの説明はこのあたりが不明でしたので、買いませんでした。
残念ながら、申告の入力の手順は、初めての事なので、キャプチャする余裕がありませんでした。説明には IE を使えと書いてあったので、IE6 を使いましたがFireFoxが使えるかどうかは未確認です。
説明の通りに順に入力して行くと申請ファイルが完成して、これを結合して証明書をつけたものをeTax で税務署に送信するという感じです。
ルート証明書を要求されたり、新たに6桁の暗証番号を要求されるし(なんで4桁じゃないのって思いましたが)、どの番号を入れるのか悩んだりと、これでは簡単とは言えないですよ。PDF に入力するというのも個人ユーザにはなじみが無い。
そんなこんなで、計算結果はファイルとして残っていますが、印刷するのを忘れてしまいました。来年は、もう少し詳しくレポートしたいと思います。
4.まとめ
電子署名、電子証明書、ルート証明書、信頼済みサイト、SSL暗号化、Java など専門用語が多すぎますね。私は、IT業界で仕事しているので逆にどんな仕組みなのか興味がありましたが、一般の方なら、なんでこんな面倒なことをするのか理解できないと思います。
確定申告の申請に、これほど強力なセキュリティが必要なのか考えてしまいます。決して「らくらく」とか「カンタン」という表現は使えないシステムだと思います。
もっと詳しく知りたい方は、こちら の説明をお読みになってはどうでしょうか。
結局、\5,000 減税するのに \4,000 ほど使いました。会社員が住基カードを発行する受け取るのは簡単では無いし、住基カードもICカードリーダも他に使うあてがありません。もう少し、使ってよかったと思えるサービスを提供してもらいたいですね。