2008-06-15
久しぶりに TDR125 のエンジンをかけると始動に苦労するけど故障でしょうか?と相談をいただきました。他の原付バイクは、長期間放置しても問題無いらしい。
筆者の TDR125 は、2週間ぐらいまでならチョークONで1発始動なんですが、1ヶ月ほど乗っていないと少し苦労します。この現象は、キャブレターの中のガソリンが蒸発してしまって始動しにくくなっているのだと思います。
これは、負圧コックが付いている場合に発生する現象で、原付バイクには負圧コックが付いていなかったのでしょうね。
1.負圧コックとは
負圧コックは、エンジンがガソリンを吸気する時に発生する「負圧」を利用した燃料コックです。燃料コックには、ON/OFF/RES がありますが、ON/RES にしていてもエンジンが止まっていると負圧が発生しないので、ガソリンがキャブレターに降りてこないようになっています。負圧コックが付いていないと、キャブレターがオーバーフローした場合に、ガソリンが大量に漏れてしまうので、これを防止する役割をしています。
負圧コックには、OFF の代わりに PRI があるものもあります。PRI 位置では負圧が無くてもガソリンが降りるようになっているそうです。久しぶりにエンジンをかける場合、PRI にしてガソリンが降りるのを待てば良いのですが、TDR125 には、PRI 位置がありません。
2.エンジンの始動のコツ
久しぶりにエンジンをかける場合は、チョークOFF状態のままで
(1) セルを2~3秒回します
(2) 5秒ぐらい待ってガソリンが止まるのを待ちます
(3) (1)(2)を 2~3回 繰り返します
キャブレターにガソリンが降りるのを想像してください。(2)で5秒ほど待つのは、負圧が無くなってもガソリンが止まるのに時間がかかるので、バッテリを休ませるためです。
アクセルを開ける必要はありません。
(4) チョークをONしてセルを回して始動します。この時もアクセルを開ける必要はありません。
(5) エンジンの回転数が落ちて来たらとチョークをOFFに戻します。
どうでしょうか?
筆者は、この方法でストレス無く始動する事ができています。
3.TDR125 の燃料コック
写真は、TDR125 の燃料コックです。
ON/OFF/RES があり PRI は無いし、負圧ホースも接続されていませんでした。一番下のホースがキャブレターに接続されているので、残る2本は、ON と RES でガソリンタンクに接続されていると予想されます。
現象的には、どこかに負圧燃料バルブがあるはずですが見つかりませんでした。今度、タンクの下を確認してみます。
4.キャブレター
ついでにキャブレターを観察してみました。USERS Manual によると、MIKUNI TM28SS を使っているようです。Google 検索すると、セッティングの情報が出てきますね。DT125R吸気系チューンという記事も参考になりそうです。
左側の写真。中央にあるプラスネジは、手で回す事ができます。これで、アイドリングの調整を行う事ができます。
右側の写真。中央に上から降りているゴム管(バネ付き)は燃料コックにつながっています。写真ではわかり難いのですが、エンジンヘッドに2本ゴム管がつながっていて、冷却水がキャブレターを冷やしているようす。
マニホールド側(キャブレターとエンジンの間)にはエアチャンバーがあります。クリーナ側にもエアチャンバーがありました。キャブレターのセッティングを変えるのは、少し面倒ですね。