2011-11-06
バイクのウインカーを電球からLEDに交換すると、消費電流が小さくなるので純正のウィンカーリレーではハイフラになってしまいます。LEDに抵抗を付けて消費電力が電球と変わらないようにする対策もありますがLEDに交換した意味が半減してしまう。ハイフラ防止ICウインカーリレーを買うのも馬鹿らしいので自作する事にしました。
特徴は、リレーではなく MOS FET でスイッチングするので無音となる (消し忘れのデメリットでもあるけどね)。また、ウィンカーをONしたらすぐに点滅を開始する回路を追加したので、必ずONから点滅が始まる。今回は、回路図を引いて、有り合わせの部品で動作実験をしました。
今回、以下の記事を参考にさせていただきました。
(1)電子工作のぺ~じ (へろへろ ライダー)
(2)ウインカーリレーのIC化 (DIP STAGE)
(3)ICウィンカーリレーの製作 (gizmo with SRX)
(4)スカイウエイブ(38) (Fast&Firstのblog風)
ICウィンカーリレーの回路図を公開しますので参考にしてください。まだ、少し不安要素が残っているので、微修正があるかも知れません。
2011.11.28追記
続き LED対応、ICウィンカーリレーを自作する(2) で上の回路図を修正しています。参考に自作される方はあわせてご覧ください。
回路の解説:
LMC555(NE555) で無安定マルチバイブレータを構成しています。今回はCMOSタイプを使いました。5個\100でした。R1(10K)、R2(100K)、C1(4.7uF) でON/OFFの時定数が決まりますが、参考回路通りに作成しました(NE555発振回路)。
T1=0.693*(R1+R2)*C2
T2=0.693*R2*C2
f=1.44/((R1+2*R2)*C)
で計算すると
T1= 0.358sec (0.693x(10K+100K)x4.7/1000000)
T2= 0.325sec (0.693x100Kx4.7/1000000)
となります。
0.683sec周期で点滅、 1分間に87回点滅する計算ですが、実際には、抵抗、コンデンサの誤差により多少変化するかも知れません。ウインカーの点滅は1分間に60~120回と規定されているそうで、この値で調整する必要もありません。好みに可変にする場合は、R2=100Kを500Kぐらいの半固定抵抗すると良いらしい。
バイクのレギュレーターはしょぼいので、エンジンの回転数により、15V ぐらいまで電圧が上昇する事があります。555 のVCCは15Vを超えると壊れるので、発信回路に3端子レギュレーターを入れました。9V ぐらいにしたかったのですが、手持ちの 78L05 を使ったので、LMC555 は5Vで動作しています。この結果、Q3 のC-E間電圧が規定(5~6V程度)を超えているかもしれない。
学生の頃(27年前)自作したウィンカーリレーは、2N3055 でスイッチングしていましたが、今回は PチャネルのPOWER MOS-FET を使います。MOS-FETは、電圧でON/OFFが可能で、ON 時の電圧降下が少ないので発熱も少ない特徴があります。回路図の 2SJ334 は、ID=-30A なので電球を4個同時に点滅させる事もできる仕様ですが、同等のモノであれば代用可能ですので安価なモノを選択してください。今回は、手持ちの 2SJ313 ID=-1A で実験しました。
FETは、G を-0.8~2.0V 以下にしなければONしないので、555 の OUTに トランジスタ 2SC2320 (汎用NPN型であれば何でも良い) を追加しました。
Q3 は、ウィンカースイッチをONした時に点滅が始まるようにする回路でが、電圧監視なのでウィンカーの電圧降下が無いのが特徴です。
ウィンカースイッチをONすると、D1 を経由してQ3がONして、555 の*RESを解除して発信が始まります。D1 には電流は流れないので、1S1588相当のシリコンダイオードでOKです。555の*RES が解除され、OUT が H になり、FET がONすると、Q3 がOFFしてしまうので、C3 4.7uF で*RESを遅延させています。Q3 2SA927 は手持ちを使いました(汎用PNP型であれば何でも良い)。
シンクロが手元に無いので *RES信号 をテスターで確認すると、約1秒程度遅延して L に変化していました。
この結果、ウィンカースイッチをON→OFFして、再び1秒以内にONすると、*RES が効かないので途中から点滅を始めます。まあ、これは問題無いでしょう。
このウィンカースイッチの負荷を検出する回路が動作するか確認する為に、ラフに組み立てました(最初は、R6 を忘れていたので *RES が動作しなかった)。写真は、部品を再利用できるようにリードを長いままハンダ付けしてあります。裏面はジャンパーだらけになってしまいましたが、この試作は機能確認が目的です。
実験の結果、電球の場合は負荷を検出して点滅を開始しましたが、写真のLEDでは電流が少なくて負荷を検知できませんでした。電球でもLEDでも動作するようにしたかったのですが、R7 22K を 4.3K にしても効果が無かった。Q3 2SA927 は、hfe=100 程度なので、もう少し感度のいいトランジスタに交換すると良いかも知れません。実際に接続するLEDに近い状態で実験する必要がありそうです。
本番では、小型化のために部品配置を工夫する必要があるので、後から部品を変更して調整する事が困難となります。実験をして回路が正しいか、部品は問題無いかを確認しました。また、車載する場合は、振動対策が必要となりますのでジャンパーは基板に固定する必要があります。雨滴による漏電対策、ノイズ対策も必要です。
実は、この FRISK のケースに入れたかったのですが、部品点数が多くなってしまったので小型化は難しいかも知れません。より小型の部品を買ってくる手もありますが。
完成品を買った方が安上がりだったりして・・・
続き LED対応、ICウィンカーリレーを自作する(2) を読む>>
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