2013-11-04
ワンセグチューナでソフトウェアラジオ(SDR)を試すの続き。今回は、オールバンド広帯域ソフトウェアラジオ SDR# をインストールして、FM放送(STEREO)、27MHzのトラックの違法無線、航空無線、50MHz/144MHz/430MHzのアマチュア無線を受信してみました。
画面は、航空無線を受信している様子ですが、この SDR# というソフトウェアが素晴らしい出来なんてす。
一番上に周波数を表示していますが、受信したい周波数が判ってる場合は、直接マウスで指定できます。周波数スペクトラムは飛び出ている部分に電波がある訳です。マウスで赤い線又は横軸をスクロールして選局しますが、飛び出た部分をダブルクリックして指定する事もできます。下の表示は電波の強度を時系列で表示しています、これが実はすごく便利な機能なんですよ・・・
ここでは、Windows 8.1 に SDR# をインストールしました。他にも同様のソフトウェアがあるようですが、ここでは初心者にも簡単にインストールできる SDR# を解説します。
PCには DS-DT308BK をすでに接続しています。DS-DT308BK のドライバをインストールしていない場合は、PCが自動でドライバーをインストールする場合がありますが、これは必要無いのでキャンセル、又は終了を待って作業してください。
DS-DT308BK には 144MHz/430MHz のアマチュア無線用アンテナが接続されています。ベランダの手すりに置くとさらに良いのですが、手すりには基台の磁石が付かないのでこのようになりました(過去記事はこちら)。
1.SDR# のダウンロードとインストール
http://sdrsharp.com/ から Dwonloads をクリック。
http://sdrsharp.com/downloads/sdr-install.zip クイックインストール付きの最新版をダウンロードします。
sdr-install.zip を解凍して Install.bat を実行すると コマンドプロンプトが開きます。
必要なファイルをダウンロードをしているようですので、完了を待ちます。
ダウンロードされた \sdr-install\sdrsharp にある zadig.exe を実行します。
Options で List All Devices を選択してから、Device一覧を開いてRTL2832U を選択します。
[Install Driver] でドライバをインストールします。
デバイスマネージャを開くと、RTL2832U が正常に動作していました。
\sdr-install\sdrsharp にある SDRSharp.exe がソフトウェアラジオのソフトウェアですので、デスクトップにショートカットを作成して、SDRSharp を実行します。
[Other(sound card)]をクリックして[USB / RTL2832]を選択して、[Play] をクリックすると受信を開始します。
[Configer] をクリックして RF Gain を調整します。受信できない場合は右端(MAX)にしても問題なさそうです。Offset Tuning をONにした方が良い場合もありますので、色々試してください。これで準備完了です。
2.SDR# (SDRSharp) で受信する
SDR# の使い方を詳しく解説します(まだまだ未知の部分がありますが)。
最初は、電波が強いFM放送を受信してみましょう。Radio を WFM (ワイドFM)、Filter Bandwidth を180000 に変更、FM Stereo に設定しました。
VFO で周波数を指定する事ができますが、数値を入力するのではなく、マウスで各桁の上下をクリックすると UP/DOWN する UI になっています。なお、0と9で桁上がり/桁下がりします。
このUIは、↑のようなデジタルスイッチをイメージしているようです。
FM放送は地域によって異なりますが 76~90MHz あたりにあります。判らない場合は、80MHz に設定して、マウスで微調整すると受信できます。
※FM放送なら付属のロッドアンテナでも受信できるようですが、できるだけ屋外にアンテナを接続するようにしてください。
さらに強い電波がありました。右のスライドバーで表示する帯域を変更できます。広帯域にして目的の電波を探してから拡大表示できます。
下のグラフは、時系列(時間軸は上から下に流れる)で電波強度を表示します。横のスライドバーで電波強度の色合いを調整します。FM放送のように常時送信している電波では、このエリアは意味が無いのですが、無線通信を受信するのに効果絶大なんですよ。
上下の表示サイズはドラッグすると変更できます。
アマチュア無線を受信してみます。VFO を 144MHz に設定します。Radio は NFM(ナローFM)、Squelch をONにするとザーッというノイズを消すことができます。144MHz ではSSB(USB) を使っている場合もあります。USBの場合は、チューニングが難しいですがちゃんと受信できました。
スペクトラムの飛び出た部分に赤い線を合わせて受信します。マウスのスクロールを回すと左右に動きます。周波数が左右に動く場合と、赤い線が左右に動く場合があります(切替が不明)。
無線の通話は常に電波が出ていないので、無線を受信した時、時系列グラフに太い破線が生まれます。ここにマウスを合わせると電波が無い状態で待ち受けする事ができる訳です。
430MHz も同様にNFMで受信する事ができます。
50MHz も受信できました。50MHz はNFM、SSB(USB)、AM を使う場合もある。
27MHz はAMです。電波は弱いですが受信できました。この周波数はトラックの運転手がハイパワーの違法無線機を使っていましたが、現在でもいるのですね。
航空無線を受信します。Radio をAMに設定します。実は、これの受信が難しかった。
地域によって周波数が異なりますので、羽田空港の管制周波数を設定してみましたが受信できませんでした。この周波数は、偶然、飛行機の無線を受信できた模様です。
Google Play で NEXUS 7 のAndroidアプリ「周波数オンライン」をダウンロードしました(30日間無料)。地域別の主な周波数割り当てを調べる事ができます。
※インターネットで検索すると、周波数BOOKを買わせようとするので、目的の情報にたどり着くのが難しいのです。
無線は常に電波が出ていないので、アンテナがダメなので受信できないのか、電波が出ていないのか判断が難しいですね。エアーバンドは、周波数がとびとびなので捕まえるのが難しいです。もっと好感度のアンテナにしないとダメかもしれません。
3.DS-DT308BK を分解する
すでに分解記事もめずらしくありませんが分解してみた。
ケースは、はめ込みシェルなので破壊しないで簡単に開ける事ができます。
チューナIC(FC0013) と A/D復調IC(RTL2832U) が見えます。改造すると、もっと低い周波数まで受信できるようになるようです。水晶発振器を高精度に変更すると安定するとか・・・
2013.11.17追記{
RTL23832Uが28.8MHzサンプリングのADコンなので、サンプリング理論から14.4MHz以下はRTL2832Uに直接入力させれば受信出来る。また、14.4MHz~28.8MHzはいわゆるオーバーサンプリングとして「波をAD変換できるので」RTL2832U直接で受信できるハズ。(第二ナイキスト領域と言うらしい)なのでRTL2832UのAD入力端子にトランス接続でHFの受信ができるという理論なんだそうです。
市販の小型のトランス TC4-1TG2+ で改造すると、HF帯の受信ができるようになるそうです。トランスを自分で巻いて自作されている方もいます。改造方法は、こちらで 詳しく解説されていますので、改造してみたいですね。
なお、28.8MHzでサンプリングしているので28.8MHzの倍数でキャリアが出ています。例えば、5倍で144.00MHzにキャリア信号が見えますがこれは避けられない。
}
まとめ
DS-DT308BK とSDR# でソフトウェアラジオを試してみました。アンテナがしょぼいと受信できないので、ストレスが溜ります。1000円でこれだけ遊べるのは、凄い事なんですが・・・。
検索すると、RTL-SDR TV28Tv2DVB-T(R820T) の方が感度が10dB程良いらしい(Amazon でも扱いがあります)。
USBケーブルの両端にフェライトコアをつけるとノイズフロアが低下しました。ノイズ対策をすると効果がありそうですので、本体をシールドすると効果があるかもしれません。
やっぱり、ソフトウェアラジオは、何よりアンテナが重要です。屋外にヘンテナ(ループアンテナ)を自作して立てても良いですし、広帯域の受信に適したディスコーンアンテナは、1万円程度で買えます。問題はアンテナケーブルの引き回しです。
アンテナに広帯域のアンプ(ブースター)を接続しても良いかもしれません。
アマチュア無線をやっていた頃に自作したアンテナチューナがどこかにあるハズで、アンテナチューナでインピーダンスをマッチングすれば受信感度がアップするかも。工夫すればまだまだ遊べるので奥が深いおもちゃです。
続き ワンセグチューナでソフトウェアラジオ(SDR)を試す[3] を読む>>
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