2013-08-01
SC-LX76のネットワークオーディオでFLACハイレゾ音源を再生するには、DLNA Digital Media Server (DMS) が必要となります。DMS機能を搭載したNASをLANで接続するのが普通ですが、NASを導入するほど頻繁に使わないので、PC で DMS を動作させられないか調べていると、なんと MediaMonkey にDLNA DMS機能が付いているのが判明。
MediaMonkey は高機能なライブラリ機能を備えた音楽プレイヤーソフトで、MP3/WMA/WAVE/Ogg Vorbis/FLAC に対応している。音楽CDからリッピングする機能が特に便利。通常は、FreeDB からアルバム/トラック情報を取得してタグ情報に埋め込むが、見つからない場合は、アーティスト名+アルバム名でAmazonを検索してタグ情報を取得する。無償版ではmp3のリッピングに試用期限があるが、この他は無償版で困る事はほとんど無いハズだ。
筆者は、これまで音楽CDをFLACでリッピングする時のみ使っていましたが、 DLNA DMS機能を搭載していたとは知らなかった。これなら使えそうです(過去記事 SC-LX76 のネットワークオーディオは使えるか の続き)。
DLNAに対応していると言っても、いろいろな機能(デバイスクラス)が存在する。現在 DLNA の主流は、2006年に策定された DLNA Ver.1.5 が主流で、レンダラーやコントローラーなどの新クラスが追加された。
DMS(Digital media server)は、映像、音楽、静止画などのコンテンツを保存し、他の対応機器にコンテンツをネットワーク経由で配信する機能。NASやBlu-rayレコーダなどに対応機種が多い。PC用では、MS WMPにDMS機能が標準搭載された。
DMP(Digital media player)は、DMSのコンテンツを受け取り再生するプレーヤー機能。テレビやAVアンプ、ネットワークプレイヤー、PS3などに搭載されている。DTCP-IPという著作権保護規格に対応したDMS、DMPの組み合わせであれば、デジタル放送の録画番組を配信する事ができる。録画対応テレビでは、内蔵HDDやUSB HDDに録画した番組をDTCP-IP対応サーバーにダビング可能な機種もある。
DMC(Digital media controller)は、DMSのコンテンツをDMPに送るように指示する機能。iPhone や Android 対応のアプリがある。後述のiControlAV 2012もDMC機能を搭載している。
DMR(Digital media renderer)は、DMCから司令を受ける再生機器の機能。AVアンプやネットワークプレーヤーなどが主な対応機器。
1.DLNA DMS の設定
MediaMonkeは、過去に WASAPI排他モードで聴く、MediaMonkey で紹介しているので、インストール方法や使い方は、そちらをご覧ください。
[ツール]-[オプション] でオプション設定画面を開き、[メディアの共有化]をクリックします。
□メディアは新を有効(UPnP/DLNA)
□UPnP/DLNAによるMediaMonkeyプレイヤーのコントロールを許可
をチェックして[追加]をクリックします。
共有するメディアファイルを指定します。[コンテンツ]タブでは、
□音楽
□クラッシック音楽
をチェックしましたが、お好みで。
[自動変換]タブを選ぶとトランスコードしたい場合は、有料のゴールド版にアップグレードしろと言われますが No Thanks ですので[OK]をクリック。
無償のスタンダード版は、FLACをトランスコードできないので、FLACファイルをそのまま ネットワークオーディオ(SC-LX76)に送られるので好都合です。
[UPnP/DLNAサーバ]タブは変更しないでOKです。インターネット超えでアクセスする場合は、[外部IPアドレスを受け入れる]をチェックします(未確認ですが)。状態には、アクセス履歴が残るようです。なお、192.168.0.13 は SC-LX76 のIPアドレスです。
[アクセスコントロール]タブには、
□全ての新規デバイスで自動的に共有化
をチェックしておきます。新規の接続があると、ここにMACアドレス、IPアドレス、クライアント名が記録されます。信頼できないネットワークでは、チェックを外して勝手に接続しないよう設定します。
[OK]で設定を終了すると、
MediaMonkey Server が動作中になっているはずです。これでDLNA DMSの設定完了。
2.データベースのクリーンアップ
MediaMonkey では、[ファイル]-[ライブラリにファイルを追加/再スキャン]で音楽データのフォルダを指定すると、全ファイルをスキャンでしてタグ情報からデータベースを作成します。これがWMPやiTunesよりも超高速で高機能なのが特徴です。
フォルダを[継続的に監視]に設定しておくと、音楽データが追加されると自動的にデータベースを更新してくれます。
また、フォルダ名を変更したり移動すると、データベースにはあるが楽曲データが見つからない問題が起こる。こんな時は、
[ファイル]-[ライブラリのメンテナンス]でライブラリを修正してもできそうですが、
[データベースのクリア]を実行して再検索させると少し時間がかかりますが確実です。
ライブラリ14,729曲(FLAC:43.1GB+mp3:86.2GB)の更新時間は、約5分でした。
3.ネットワークオーディオの再生
ここでは、NEXUS 7の iControlAV 2012 (DMC) でMEDIA SERVER(DMS)を操作して SC-LX76(DMR)で再生しました。TV画面とSC-LX76付属のリモコンでも同様に操作できます。
MEDIA SERVER を選択します。
MediaMonkey Server を選択して、共有ライブラリ[音楽]を選択。
[場所]からFLACフォルダを選択して再生する事ができました。フォルダ数、ファイル数が多いとiControlAC 2012 のスクロール表示がバグってしまうようですが、コツをつかめばなんとか使えます。
TV画面で見ると、FLAC 9216kbps(=192kHz 24bit 2ch) と表示されているのでネットワークオーディオでハイレゾFLACをネイティブ再生できています。
しかし、192kHz 24bitの再生ではPCの状況により、時々音が途切れてしまいます。バッファ(Max100)が20-40程度しか確保できないのが原因。PCの送信が間に合っていないようです。
tcpmon によるPCの送信データは600KB/sec前後でしたので4.8Mbpsですから無線LANの限界では無いようです。PCとルータは有線LAN(100BaseT)ですが、SC-LX76 とルータの間がWiFi接続なので有線LANで接続すると解決するかもしれません。PCは Core i5 ですが省電力設定が影響しているかも・・・
2013.9.17追記{
有線LAN接続で FLAC 9216kbps(=192kHz 24bit 2ch) が再生できるようになりました。無線LANがボトルネックになっていたようです(続き SC-LX76 設置(9)、GbE HUBでLAN接続しました)。
}
FLAC 4608kbps (=96kHz 24bit 2ch) ではバッファは100で全く問題ありません。
こちらは、300KB/secぐらいの速度で送信していました。
mp3 だと、最初にバッファに蓄えた後は、35KB/sec ぐらいの速度でした。
SC-LX76 はDLNAでDSD2.8ファイルを再生できるらしいのですが、MediaMonkeyのデータベースにDSDファイルは認識してくれませんでした。まず、MediaMonkeyにDSDファイルを認識させる必要があります。MediaMonkeyは、Winampのプラグインが使えるらしいので、DSDのプラグインがあれば登録できるようになるかもしれませんが・・・
MediaMonkey は高機能でデータベースのレスポンスも早いので foober2000 よりも使いやすいかもしれません。さらに使い込むと他にも色々便利な機能を発見できるかもしれませんね。おススメの音楽プレーヤです。
続き MediaMonkey にASIO出力プラグイン設定 を読む>>
- 関連記事
-
- SC-LX76 設置(9)、GbE HUBでLAN接続しました (2013/09/13)
- SC-LX76 設置(8)、BDプレーヤ BDP-450 を買いました (2013/09/02)
- 懐かしのポール・モーリアが70周年 (2013/08/15)
- ブルーレイプレーヤを選ぶ、おススメはどれ (2013/08/11)
- MediaMonkey の DLNA DigitalMediaServer でネットワークオーディオ (2013/08/01)
- デジタル・コピー付 ブルーレイとは何? (2013/07/24)
- SC-LX76 設置(7)、サブウーファー SL-D501(B) を買いました (2013/07/21)
- サブウーファーはどれがおススメ (2013/07/18)
- Stereo Sound ONLINE の ホームシアター体験会 (2013/07/09)